IE9ピン留め
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結晶
「これを、鑑定してください」
 思いつめたふうな客が差し出したのは、ルビーのような宝石が埋まった指輪だった。石の中で何かがちろちろ燃えているようなきらめきがある。
「これはまた、見事な嫉妬で」
 さっそくルーペを取り出し拝見する。
 不倫。
 そして、焼身自殺。
 残った嫉妬は見事に残り、別の意味で一流の技士により今の姿に。
「眞品ですね。今すぐ手放すのが良いでしょう」
 言って、聞くはずがない。
 あまりに美しすぎるのだから。
「何人、死んでます?」
「この姿になってから、五人」
「もう、きっと、打ち止めですね」
 明るく言う客。根拠がないのは、彼も知っているだろう。

 後日。
 足首だけ高温で焼け焦げた2つの足がある男の部屋で発見された。部屋にはぼやの跡すらない。
 残された足は、部屋の主の男のものらしい。
 科学的に、こういう焼け方はしないそうだ。
 気付くと、私の店の扉の隙間からスライムが忍び込んで来た。愛しさの赤で染まっている。私を覆い尽くす勢いだ。
 ふん、と袖にする。
 するとまた、宝石になった。
 無論、一流の私は指輪にして競売に出す。
 ああ、もちろん別の意味だ。



えっとね~
# by marie_a | 2011-09-01 08:55 | 500文字の心臓
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